最高裁判所第三小法廷 昭和54年(あ)1831号 決定 1980年5月06日
本籍
兵庫県尼崎市西難波町五丁目一三八番地
住居
同県尼崎市西難波町五丁目八番六号
ゲーム販売業兼ゲームセンター経営
石井登
昭和一六年一〇月二〇日生
右の者に対する所得税法違反被告事件について、昭和五四年九月二五日大阪高等裁判所が言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立があったので、当裁判所は、次のとおり決定する。
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人林義夫の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 環昌一 裁判官 横井大三 裁判官 伊藤正己 裁判官 寺田治郎)
○ 昭和五四年(あ)第一八三一号
被告人 石井登
弁護人林義夫の上告趣意(昭和五四年一二月一一日付)
原判決は第一審判決を支持し本件控訴を棄却した。然れども以下述べる理由により原判決には(一)判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があり、(二)刑の量定(罰金刑)も甚しく不当でこれを破棄しなければ著しく正義に反するものと思料する。
一、事実誤認
本件公訴事実中無記名定期預金は不正の方法とは認められない。
従って本件は所得税法二三八条に該当せず無罪と思料する。
その詳細については控訴趣意書第一と同一であるからこれを引用する。
二、量刑不当(罰金刑につき)
この点についても控訴趣意書第二と同一であるのですべてこれを引用する。
三、結論
以上の次第で原判決には刑訴法四一一条二、三号に該当する理由があると思料するので原判決被棄し、一については無罪、二については懲役刑のみとし罰金刑科しない様御願いしたい。
以上